筋トレ = プロテイン(たんぱく質)
こんなイメージはありませんか?
『実際どれくらいたんぱく質を摂ればいいのかわからない』
といった声を聞くことがあります。
実は、たんぱく質の摂り方を間違えると、
体脂肪の増加や疲れやすさにつながる可能性があります。
今回はアスリートのカラダづくりに不可欠な
たんぱく質の必要量や選び方、タイミングをお伝えしていきます。
〜そもそもたんぱく質とは?〜
私たちのカラダでは毎日、たんぱく質の代謝が行われていて、
壊れた部分の補修がされているのです。
たんぱく質が摂れる食べ物というと何を思い浮かべますか?
肉や魚、最近ではプロテインやプロテインバーという声も聞くことが増えました。
この他にも卵や豆、豆製品、牛乳、乳製品などもたんぱく質を多く含みます。(※1)
筋トレだけではNG!?効率良く筋肉をつけるコツ
がむしゃらにトレーニングだけ行っても
たんぱく質の分解が進んでしまい、筋力アップはつながりません。
筋力アップがみられるのは、トレーニング後に
たんぱく質をはじめとする栄養を補給したときなのです。(※2)
どれくらいのたんぱく質をとればいいの?
アスリートの場合、生きる上で必要なたんぱく質量を維持するだけでなく、
筋肉をつけるために、その分を上乗せして摂る必要があるため、
当然、たんぱく質の必要量は一般の人よりも多くなります。
≪1日のたんぱく質摂取量≫(※3)

これは
●トレーニング中にエネルギー源として使われたたんぱく質のリカバリーのための摂取
●トレーニング中の刺激に対して筋肉を合成するために必要なたんぱく質の摂取
を考慮し、研究結果に基づき整理したたんぱく質摂取量です。
あなたに必要なたんぱく質の量は?
例えば、
レジスタンストレーニングをしている体重70kgの人場合
1日に必要なたんぱく質量 : 110~120g
食事に例えると・・・
チキンソテー100g (鶏ムネ肉皮なし手のひら2枚分) 23g
さばの塩焼き100g (手のひら2枚程度) 26g
プロテイン20g+水300mlで溶かした場合 15g
プロテイン20g+牛乳300mlで溶かした場合 25g
納豆(1パック) 8g
ゆでたまご(1個) 8g
きぬ豆腐(3連のもの1パックまたは大きいパック1/3丁) 5g
これで合計110gです。
どうでしょうか?
1日の食事の中で意識をすれば十分に補える量ですね。(※4)
良質なたんぱく質の選び方
これまでは、「量」についてお伝えしてきましたが、
実際のところ「量」を気にしているアスリートの方は多いのですが、
たんぱく質の「質」に目を向けられている方は少ない印象を受けています。
そもそも、良質なたんぱく質の定義はなんでしょうか?
わたしたちの体内のたんぱく質は20種類のアミノ酸から構成されていて
そのうち体内で合成できず食事でとる必要があるものを必須アミノ酸(9種類)
体内で合成できるものを非必須アミノ酸(11種類)
と言います。
この必須アミノ酸の量が基準値を満たしているものが
アミノ酸スコア100となり
良質なたんぱく質とみなされています。
≪アミノ酸スコア100の食べ物≫
・肉類・魚類・卵・牛乳・ヨーグルト・大豆 など
動物性食品ではアミノ酸スコアが100となる場合が多いのです。
必須アミノ酸をバランスよく摂取することで、
筋力アップが進むことがわかっています。(※2)
どのタイミングで摂るのが効果的なの?
筋力トレーニングは筋肉の合成と分解を活性化します。
分解はトレーニング後、約24時間
合成はトレーニング後、約48時間
まで続くことが明らかになっています。
このことから、トレーニング後だけではなく、
当日から翌日にかけて意識してたんぱく質を摂る
必要があるとされています。(※2)
また、トレーニング後にたんぱく質を摂取する場合、
20g(約0.25g/kg体重)以上摂っても
筋力アップにはつながらないことがわかっています。(※2)
たくさん摂っても全てが筋肉になるわけではなく、
余分なたんぱく質は脂肪として蓄えられます。
先ほど示したように、プロテインであれば牛乳300mlで溶かせば
シェイカー1杯で十分なたんぱく質が摂れます。
最近では高たんぱく・低脂肪のヨーグルトも売られており、
1パックでたんぱく質10gが摂れるものもあります。
まとめ
カラダづくりのためのたんぱく質のポイント
①アミノ酸スコアの高い良質なたんぱく質を選ぶ
②効果的な摂取タイミングは、トレーニング後1~2日
③適量のたんぱく質をこまめに摂取する
筋力アップに効果的なたんぱく質の摂り方をマスターして
パフォーマンスを発揮できるカラダづくりをしましょう。
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参考文献
※1 厚生労働省「e-ヘルスネット たんぱく質」(2019年7月28日閲覧)
※2 寺田新著『スポーツ栄養学科学の基礎から「なぜ?」にこたえる』一般財団法人東京大学出版会(2017年)
※3 鈴木志保子著『理論と実践スポーツ栄養学』日本文芸社(2018年)
※4 文部科学省『日本食品標準成分表2015年版(七訂)』
※5 Ralf Jӓger,et al International Society of Sports Nutrition Position Stand:Protein and exercise.J Int Soc Sports Nutr.20;14:20(2017)